65歳までの雇用確保(義務)
65歳以上への継続雇用への義務
高年齢者雇用安定法は、少子高齢化が急速に進行し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図る法律です。
平成16年の改正では、65歳未満の定年を設定している事業主については、65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入または定年の定めの廃止のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければならない、と義務化されました。
継続雇用制度に関しては、平成25年3月31日までに、再雇用基準を定めていた場合には、以下の表の年齢以上の方については、労使協定の基準を満たさない方を継続雇用の対象外とすることができます。
労使協定の基準により対象外とできる人は、下表の通りです。
期間 | 継続雇用の対象外とできる年齢 |
---|---|
平成25年4月1日~平成28年3月31日 | 61歳以上の方 昭和28年4月2日~昭和30年4月1日生まれ |
平成28年4月1日~平成31年3月31日 | 62歳以上の方 昭和30年4月2日~昭和32年4月1日生まれ |
平成31年4月1日~平成34年3月31日 | 63歳以上の方 昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれ |
平成34年4月1日~平成37年3月31日 | 64歳以上の方 昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれ |
雇用継続のための制度としては、次の2種類が考えられます。
制度 | 概要 |
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勤務延長制度 | 定年年齢の引き上げにより、その定年年齢に達した者を退職させることなく引き続き雇用する |
再雇用制度 | 定年年齢に達した者をいったん退職させた後、再び雇用する |
雇用条件については、高年齢者の安定した雇用の確保が図られるものであればよく、労働者の希望に必ず合致した職種・労働条件でなければならないとまでは要求されていません。
また、常用雇用のみならず、短時間勤務や隔日勤務なども含みますので、企業の実情に合った制度導入を行うことが必要です。
70歳までの就業機会の確保(努力義務)
70歳までの就業機会を確保することの努力義務
令和3年4月1日の改正で、65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置として、以下のいずれかの措置を講ずる努力義務が新設されました。
- 70歳までの定年引き上げ
- 定年制の廃止
- 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む) - 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
- 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入 a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
その他、高年齢者就業確保措置について、対象者基準や労使で協議すべき事項などの留意点については、厚労省ハローワークのリーフレット『高年齢者雇用安定法改正の概要~70歳までの就業機会の確保のために事業主が講ずべき措置(努力義務)等について~(令和3年4月1日施行)』に詳細が載っていますので、ご確認ください。
リンク:高年齢者雇用安定保改正の概要(令和3年4月1日施行)
求職活動の援助
事業主都合の解雇等により離職する高年齢者等が希望するときは、事業主が、その職務の経歴、職業能力等の再就職に資する事項を記載した書面(求職活動支援書)を作成し、交付しなければなりません。
採用募集年齢の設定理由明示義務
65歳未満の募集・採用の上限年齢を設定する場合は、求職者に対し、理由を明示しなければならないことになっています。