団体定期保険とは

2種類のグループ保険がある

団体定期保険は、本来、従業員の死亡や高度障害の事態に備えた福利厚生ないし遺族の生活保障の措置として、障害給付金、死亡退職金および弔慰金等の支払いを目的とした制度です。

支払保険料に対しては損金処理が許されるなど、税務上の特典が認められています。

住友レーザー事件 大阪地裁 平成12.12.22

企業の損失の補填や従業員に対する求償権の賠償を目的として流用すべき制度ではない。

団体定期保険には、2つの方式があります。

総合福祉団体定期保険(旧Aグループ保険)

企業が保険契約者となり、従業員を一括して被保険者とし、保険料を全額負担し、契約所定の事由が生じた際には保険金を受け取ります。

団体定期保険(Bグループ保険)

団体が契約者となって、従業員がそれぞれ保険に加入するか否かを決定し、企業が加入従業員分を一括して保険契約を締結します。

保険料は従業員各自の給与から天引きされるが、保険金自体は従業員もしくはその遺族が受け取ります。


「第三者のためにする契約」としての性格付け

総合福祉団体定期保険(旧Aグループ保険)は、いわば他人の生命の保険契約(商法第674条)であるが、犯罪誘発の危険性や人格権侵害の危険性、使用者による不労の利得の可能性などがあり、実際にも死亡した従業員の遺族には全く保険金が支払われていないなどの事態が生じ、社会的にも問題となっています。

裁判例によると、遺族の請求が認められるか否かは、被保険者(従業員)の同意を前提に(商法第674条1項)、各保険契約における付保規定の趣旨目的、保険契約締結の経緯、被保険者の勤続年数・給与額・企業への貢献度、保険料の負担関係、受領した保険金の総額および税制上の取り扱い、その企業における退職金・弔慰金規程の有無・内容など、諸般の事情を総合的に考慮し、社会通念や公平の観点から判断するという枠組みが定着しています。(赤武石油ガス事件 仙台高裁 平成12.11.29、秋田運輸事件 名古屋高裁 平成11.5.31、東映視覚事件 青森高裁弘前支部 平成8.4.26)

商法第674条
(他人の生命の保険)

他人ノ死亡ニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スへキコトヲ定ムル保険契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス 但被保険者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ナルトキハ此限ニ在ラス

(2) 前項ノ保険契約ニ因リテ生シタル権利ノ譲渡ニハ被保険者ノ同意アルコトヲ要ス

(3) 保険契約者カ被保険者ナル場合ニ於イテ保険金額ヲ受取ルヘキ者カ其権利ヲ譲渡スルトキ又ハ第一項但書ノ場合ニ於テ権利ヲ譲受ケタル者カ更ニ之ヲ譲渡ストキ亦同シ


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