不正受給

不正受給したら・・・

ハローワークに呼び出され、受給資格を奪われます。

また、今まで受け取った失業給付については全額返還することになるばかりか、悪質だと判断されると、その倍額+延滞金を返さなくてはならなくなります。

つまり、受給した額の3倍以上を返還することになるのです。

具体的には、次のような行為が不正受給とされています。

(1) 離職票、その他各種証明書および支給申請書などの内容を偽って記載し、または改ざんしたものを使用したとき。
(2) 「受給資格者証」を他人に譲り渡したり、他人に失業の認定を受けさせたとき。
(3) 労災保険による休業補償給付や健康保険の傷病手当金などを受給しているにもかかわらず、その事実を届け出なかったとき。
(4) 失業認定申請書に、次のような偽りの申告を行ったとき。
※失業認定申請書などには、事実をありのまま記入してください。
  • 就職や就労(パートタイマー、アルバイト、派遣就業、見習・使用期間、研修期間、日雇などを含む)した場合、その事実を申告しないとき、また採用年月日を偽って申告したとき。
    ※なお、この場合、すでに収入を得ているかどうかは問いません。
  • 就職していないにもかかわらず、就職したと偽って申告したり、事実と異なる内容の「再就職手当」等の申請をしたとき。
  • 自営(準備期間を含み、収入を得ているかどうかは問いません)や請負をはじめているにもかかわらず、その事実を申告しなかったとき。
  • 会社の役員に就任(名義だけの場合も含む)しているにもかかわらず、その事実を申告しなかったとき。
  • 内職や手伝いをした事実およびその収入を申告しなかったとき。
    なお、まだ収入を得ていない場合でも、内職などを行った事実は申告しなければなりません。
  • 求職活動の実績がないにもかかわらず、その実績について事実と異なる申告をしたとき。
    ※求職活動の実績については、利用した機関等へ問い合わせ等により事実確認を行うことがあります。

不正受給の動機は?

失業給付の不正受給の動機としては、以下のようなものが目立ちます。

  • 見つからなければ・・・
  • 1日くらいだから・・・
  • 試用期間中だったから・・・
  • 研修期間中だったから・・・
  • アルバイトのつもりだったから・・・
  • 働いてもお金をもらっていないから・・・

失業保険の給付業務はコンピュータ管理されているので、不正受給の洗い出しは、さほど難しくないといわれています。

ハローワークの事業所調査や家庭訪問、投書や電話などの通報により発覚する場合もあります。

また、受給資格者等を雇用しようとする事業主および職業紹介事業者等も、必要な報告することとなっています。


不正受給の処分は

給付停止

不正を行った日以降、一切支給されません。

返還命令

不正に受給した金額については、金額返還を明示、即刻返還しなければならなくなります。

納付命令

不正に受給した金額の2倍の額の納付を命じ、即刻納付しなければならなくなります。

したがって、不正に受給した金額の3倍の金額を返還することになります。

なお、返還および納付を命じた額に延滞金も加算されます。

財産差押・刑罰

返還または納付しないときは、財産が差し押えられ、詐欺罪として告発されることもあります。

連帯返還

次の者も連帯して返還する義務を負います。

  1. 職業紹介事業者(職業安定法第4条8項)
  2. 業として職業指導(職業に就こうとする者の適性、職業経験その他実情に応じて行うもの)を行う者

雇用保険3900万円詐取、職安が大学生ら91人告訴

札幌市内の携帯電話販売会社などの3社が、同市内の大学生ら200人以上と架空の雇用契約を結び、うち約90人分の雇用保険金約3940万円をだまし取っていたことが北海道労働局の調べで分かった。

これを受けて札幌公共職業安定所など札幌市の三つの職安は14日午前、詐欺容疑でうち1社の男性社長(71)や同社の経営するマージャン店支配人の男性(46)ら事件の主立ったメンバー6人と保険金を受け取った学生ら計91人を北海道警に告訴した。

労働局によると、3社は昨年1月から11月にかけ、大学生ら203人と雇用契約を結び、約半年後に離職したという虚偽の内容を三職安に報告。雇用関係があったと偽るため、学生らに約半年分の給料を払ったとする離職証明書を偽造、うち89人が職安から雇用保険金をだまし取った疑いが持たれている。学生らは口コミで勧誘を受け、マージャン店支配人らに預けた通帳の口座に雇用保険金の振り込みを受け、職安に行くごとに報酬として1万~1万5000円を受け取っていた。

(Nikkei Net 2003.3.14)


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