支給額

標準報酬月額の3分の2

傷病手当金受給中に、会社から何らかの報酬を受け取った場合は、その分だけ傷病手当金が減額されます。

見舞金のように恩恵的・一時的に渡されるものは別として、継続して支給される生活保障給的なものがあれば、その部分は差し引かれます。

ただし、当事者が健康な時に発生した報酬なら、手当支給期間中に受け取っても控除されることはありません。

この点は、業務上の事故(または通勤災害)などによる労災補償とは考え方が異なります。

途中で出社しても、同一疾病なら1年6ヶ月が限度

同一疾病

病状が回復し、途中でいったん出勤した場合は、傷病手当金は支給されなくなります。

リハビリをかねて・・・という気持ちで軽勤務に従事した場合でも、傷病手当金は支給されなくなります。

その後、同一疾病で勤務不可能になった場合は、再度受給が可能ですが、当初の休業日に傷病手当金を受けてしまっていると、その期間は最初の受給から1年6ヶ月が限度です。

したがって、申請のタイミングをよく考える必要があります。

それぞれの傷病ごとに合算できるわけではない

傷病ごとに合算できない

傷病手当金の受給中に別の傷病が見つかったとしても、受給できる額は、以下で算出した標準報酬月額の3分の2までです。

支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3

別個の傷病が重なった場合の支給期間は、次のとおりとなっています。

それぞれ別個の傷病として1年6ヶ月支給されます。

別の病名でも、同一の疾病だと判断されると1年6ヶ月で打ち切られる

別の病名でも、同一の疾病だと判断されると

たとえば、慢性胃炎で受給している人が、その胃炎が悪化して胃潰瘍となったとしても、あらためて傷病手当金が支給される(=受給期間が延長される)のではありません。

病名はいつも同一とは限りません。違う病名であっても、実質的に同じ疾病だと判断された場合には、1年6ヶ月で打ち切られることになります。

傷病手当金と出産手当金はダブルでもらえない

ダブルでもらえない

傷病手当金の受給中に出産し、出産手当金が支給されるような状況が生じた場合は、出産手当金が優先して支給されます。

同様に、労災補償との併用もできません。

また、退職後新しく発生した病気ケガは 傷病手当金の対象にはなりません。

会社から報酬が出たとき

会社から報酬が出たとき

傷病手当金と報酬の関係についてですが、傷病で休んでも数ヶ月間は会社から報酬が支払われる場合は、以下のように取り扱われます。

  • 傷病手当金>報酬のとき・・・「傷病手当金-報酬」を支給
  • 傷病手当金≦報酬のとき・・・不支給

なお、報酬が支払われているため不支給になっている期間中に待期が完成しているときは、報酬が支払われなくなった日から直ちに支給されることになり、その支給の日から1年6ヶ月を限度とされます。

なお、事業主が恩恵的に支給する「病気見舞」などの場合には、傷病手当金減額調整の対象とはなりません(実質的に給与の一部と見なされた場合は、減額される)。

傷病手当金と失業給付はダブルでもらえない

失業給付は、就労したいという意欲と能力がある人が就労できない場合に支給されます。

一方、傷病手当金は、ケガや病気のため仕事に就けない人に支給されます。

ということは、この両者は、同時に受給できないことになります。

支給要件の発生期間が重ならなければ問題ないので、在職中に休業した分の傷病手当金の請求手続きが退職後になされ、病気が治って、就労可能となり、職安に行って求職の申し込みをし、失業の認定を受け、その後に、在職中の分の傷病手当金が振り込まれてきたとしても、それは過去の分ですから、関係ないことになります。

仕事ができないと申し立てて傷病手当金を受け取り、再就職の能力があると嘘を言って、失業の認定を受けてしまうと、明らかに両方をダブりでもらうことになります。

不正行為として、倍返しになりかねません。

傷病手当金>障害年金なら、差額が出る

同時に厚生年金保険法による障害厚生年金(障害基礎年金)を受けられるようになった場合は、傷病手当金のほうが高額な場合に限りその差額が傷病手当金として支給されます。

傷病手当金受給中の社会保険料・所得税・住民税

傷病手当金受給中についても社会保険料は納付しなければなりません。

また、所得税・住民税は傷病手当金に対しては非課税となりますが住民税は前年度所得に対する課税のため支払う必要が有ります。

そのため通常は傷病手当金の受取人を事業主とし保険料・住民税を差し引いたのち被保険者に事業主が支払う形を取ります。


請求先・請求方法

会社を管轄する日本年金機構(または健康保険組合)へ「傷病手当金請求書」を提出します。

第1回の請求には、賃金台帳の写しと出勤簿(タイムカード等)が参考資料として必要です。

通常、在職中の受給の場合は事業主が手続きを代行し長期の場合は1ヶ月ごとに行います。

手続きには傷病手当金請求書に医師の診断の他、在職中の受給の場合は事業主に休業の事実を証明してもらう必要が有ります。

傷病手当金の支給は請求から3~4週間後になります。

支給決定が申請より数ヶ月経っても決定されない場合や不支給の決定がなされた場合は、都道府県福祉部社会保健管理課の社会保健審査官に対しすみやかに審査の請求を行って下さい(不支給決定の場合、決定より3ヶ月以内)。


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