再雇用のプラン

複線型再雇用制度の設計(例)

項目 フルタイム型 パートタイム型
(1) 身分 嘱託
(2) 社内の呼称 A嘱託 B嘱託
(3) 雇用保険 1年ごとに更新
(4) 最高雇用年齢 65歳
(5) 給与 月給制 時間給制
(6) 賞与 支給
(7) 労働時間 週40時間 週20時間以上 30時間未満
(8) 年次有給休暇 年間20日
(9) 通勤手当 実費全額支給
(10) 時間外勤務 原則として命令しない
(11) 健康保険 加入 加入しない
(12) 厚生年金保険 加入 加入しない
(13) 雇用保険 加入
(14) 労災保険 加入
(15) 退職金 有り(1年につき0.5か月分) 無し
(16) コース転換 フルタイム型からパートタイム型への転換は認めるが、その逆は認めない

定年到達者のうち、雇用継続を引き続き希望する人の中から、一定の要件(健康や能力が十全であること)などを満たした者だけを再雇用の対象とする場合は少なくありません。

この場合、就業規則においては、「会社が特に必要と認めた者に限り、再雇用する」という趣旨を明記しておくことになります。

しかし、このような定めがある一方で、従来からの扱いで希望しさえすれば誰でも再雇用されるという事実が反復継続されていた場合は、「当然に再雇用契約の成立」と認める判例があり、注意が必要です。

従業員が労働組合員であることや、労働組合に加入し、もしくはこれを結成しようとしたことなどによって再雇用しないことはは、「不利益取扱」として、不当労働行為(労働組合法第7条)となります。

ただし、整理解雇の場合、再雇用社員を優先するのもやむを得ないとする判例もあります。

西宮電気工業事件 神戸地裁尼崎支部 昭和61.4.24

一般に、老齢による定年退職後の再雇用は、退職後の収入確保による老後の生活への配慮、当該企業への功労や寄与への報奨、退職者の従前の経験や技能の再活用等の理由によって行われるものであるが、既に正規の従業員の資格を失っているうえ、老齢による労働能力低下が更に明らかに進むことが明らかな者を、右のような特別の考慮によって再雇用するのであるから、それだけ正社員に比べて企業との結びつきが希薄であり雇用保障の必要性もまた低下している。

企業がやむを得ない理由に基づき人員整理を行う場合、定年後再雇用者は、正規従業員に比べて劣後的立場にたつことは当然であり、正規従業員に先んじて解雇の対象となる。


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