適格年金からの移行

適格年金の移行

適格年金は平成24年3月に廃止されました。

このため適格年金制度を利用している企業は、他の制度への移行の検討が必要です。

主な以降先は次のとおりです。

  • 中小企業退職金共済へ移行
  • 確定給付企業年金へ移行
  • 確定拠出年金へ移行

その他、内部積立とする、生命保険の保険商品を利用する、などの方法もあります。

適格年金契約は退職金規程を前提にしていますが、適格年金を解約しても、退職金規程が自動的になくなるわけではありません。退職金の支払義務は残ります。

また、退職金制度のある企業では「賃金の支払いの確保等に関する法律」により退職金の保全措置が義務づけられています。

関連事項:退職金


確定拠出と確定給付

各企業は、退職金や企業年金の積み立てを運用して、制度の拡充を図ってきましたが、最近の低金利や不況で資金運用がうまく行かず、制度そのものが危ぶまれるようになってきました。

掛金が固定で、給付額が確定していないものを「確定拠出型」と呼び、逆に、掛金が固定されておらず給付額が確定しているものを「確定給付型」と呼びます。

掛金と給付額のどちらも確定しているものとしては、中退共などがあります。

確定拠出型年金(日本版401k)

確定拠出とは、掛金(拠出)を確定して、給付である年金や退職金の金額をそのときの状況に任せよう、という形です。

運用リスクを負わないので、積み立て不足は発生しません。

支給は60歳到達時です(50歳で退職したからといって引き出すことはできません)。

結局、掛金は一定で安定しますが、年金額や退職金額はどうなるかわからないという結果になります。

投資運用は従業員の責任により行う必要があり、そのため企業は従業員の投資教育をすることになります。

確定給付型年金

その反対が「確定給付」です。

これは、退職金額や年金額を先に決めて、それに合わせた掛金を決めるという従来型の方法です。

給付額が決まっているので、従業員の側から見ると、安心できる制度です。

60~65歳で規定により支給されます。

想定利回りを会社が保障する必要がありますが、資産運用次第で掛け金が変動する可能性があります。

したがって、最近のような経済状況だと、掛金がどれだけ増えるかわからないという危険があります。


中退共への移行

適格年金から中退共に移行することが可能です。この場合、契約している保険会社等に適格年金契約の解約意思を明確に伝え、了承を得た上で、証明書を発行してもらい、中退共加入の手続きを行います。

ただし、すでに中退共に加入している企業は、適格年金を解約しても年金資産を移換できません。

移換のためには、中退共をいったん解約しなければなりませんが、従業員の同意が必要ですし、個々人の利害が錯綜するので、お勧めできません。

移換できる金額には制限があります。従業員1人あたりの移換限度額は、中退共の申込み月額によって上下します。

関連事項:中小企業退職金共済制度


確定拠出年金には、企業型年金と個人型年金の2種類がある

確定拠出年金は、掛金の拠出額が確定している年金です。

加入者が、資産の運用方法を選択でき、掛金とその運用結果によって受取金額が決まります。

特徴

  • 確定拠出のため企業側には年金原資の予定外追加支出がない。
  • 毎月の拠出額は、労使合意によりあらかじめ確定させる。
  • 運用リスクは企業ではなく加入者(従業員)が負う。
  • 給付額の保証がなく掛金額と運用収益によって将来の給付額が左右される。
  • 転職先が実施している場合は転職先に持ち込むことができる。
  • 資産管理、運用機関があり加入者に情報を随時提供する。
  • 年金支給開始年齢は原則60歳。
  • 既存の年金、退職金からの移行も可能。
  • 個人型は中小零細企業にも企業年金導入を容易にし、自営業者等の老後の資金づくりに役立つ。

企業型年金

企業が掛金を負担し、その従業員が加入する。

(拠出限度額 27年度)

  • 企業年金等に加入していない企業の従業員・・・月額55,000円
  • 企業年金等に加入している企業の従業員・・・月額27,500円

個人型年金

加入者が掛金を負担する。

自営業者等や勤務先に確定給付企業年金も確定拠出年金(企業型)もない従業員が加入する。

(拠出限度額 27年度)

  • 第1号加入者(自営業者等)・・・月額68,000円から国民年金基金の掛金額を控除した額
  • 第2号加入者(制度を実施しない企業の従業員)・・・月額23,000円

運用方法

運営管理機関は、運用商品を選定する場合には、元本確定型の運用商品を1以上選定するとともに、以下の3点と分散投資が義務づけられています。

  1. 選定した運用商品が、3以上のリスク・リターン特性の異なる区分に属することであること
  2. 個別社債、個別株式を選定するときは、それらとは別に3以上選定すること
  3. 運用商品の提示の際に、その運用商品を選定した理由を加入者等に示すこと

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