保険料の発生は?

保険料の納め方

保険料は、被保険者負担分と事業主負担分を合わせて事業主が納めるように各法律で定められていますので、実際に納付する義務は事業主にあります。

事業主は、保険料を納付するために、被保険者の報酬から前月分の保険料を控除することができます。

控除額は被保険者に通知しなければなりません。

届けられている被保険者(従業員)の標準報酬をもとに、毎月保険者から事業主宛に「納入告知書」が送られてきます。

この告知書に保険料を添えて、期限(翌月の末日)までに、保険者に納めます。

郵便局や銀行などの金融機関で払い込むこともできますし、金融機関から毎月口座振替で振り込むこともできます。

保険料を滞納すると

保険料の納付が遅れて保険者から督促を受け、それでも納付せずにいると、年14.6%の延滞金がかかります。

会社が控除できるのは1ヶ月分

事業主は、被保険者の負担すべき前月分の保険料を控除できます。(健康保険法第168条、厚生年金保険法第84条)

ただし、被保険者の同意を得ることなく賃金等から控除できるのは、前月分の保険料に限られています。(昭和2.2.5 保発112)

社会保険料を賞与などで一括精算することはできません。

それ以前の保険料を、事業主が好意で納付していたとしても、その支払い方法については話し合いで決めることになります。

この場合、被保険者は事業主に対し、私法上の債務を負うという立場となります。(昭和29.9.29 保文発10844)


月末で退職すると2ヶ月分の保険料を徴収

保険料が1ヶ月単位で計算される

保険料は月単位で計算され、被保険者が採用されたのが月の途中であっても、資格を取得した日の属する月の保険料が徴収されます。

保険料が日割りで計算されることはありません。

逆に、被保険者が資格を喪失した月については、保険料の徴収は行われません。

つまり、保険料は資格喪失した月の前月まで発生します。

ただし、資格取得した月に資格喪失した場合(同月得喪)は1ヶ月分の保険料が発生します。

標準報酬に含まれるもの

標準報酬の算定には、賃金、給与、報酬、家族手当、残業手当、宿日直手当、管理職手当などすべてのものが含まれます。

通勤手当についても、非課税の場合であっても、算定に含まれます。

現物支給も含まれ、食事を出したり、社宅を供与した場合も、換算の上、算定されます。

逆に、退職金や傷病手当金、見舞金などは含まれません。

月末に退職すると・・・

上述のように、健康保険も厚生年金保険も、保険料は月単位で計算され、被保険者資格を取得した月には1ヶ月分の保険料が徴収されますが、喪失する月には保険料の負担は全くありません。

しかし、月末に退職すると健康保険、厚生年金、社会保険料が通常月の倍額控除されることがあります。これはなぜでしょうか。

事業主が源泉徴収できるのは、被保険者が負担すべき前月分の保険料となっています。

保険料の源泉徴収は法により前月分のみ認められていますので、3月退職なら、原則では2月分までが算定対象です。

ところで、退職日が「月末」であるなら翌月の1日が喪失日となります。

退職日が「月末」の場合に限り例外として当月分も行うことが認められています。

退職が3月末とすると、喪失日は4月1日。よって社会保険料は3月分まで発生します。

月の最終日に退職等した場合や同一月内に資格の得失があった場合は、当月分の保険料を併せて源泉控除できることになっています。

つまり、退職月(この場合3月)に支払われた給料から控除された社会保険料は「前月分(この場合2月分)+当月分(喪失した3月分)」の被保険者負担分であって適法に源泉徴収されたといえます。

逆にいうと、3月30日(月末の前日)に退職とすれば、3月分の保険料は発生しません。このため、退職日を1日前倒しにするケースがあります。

この場合、3月の保険料の「会社」負担分がなくなるというメリットはあるのですが、その反面、個人としては3月から国民健康保険に入らなければならないというデメリットが生じます。

賞与等からも徴収される

被保険者が負担すべき賞与等にかかる特別保険料についても、賞与等から源泉控除できることになっています。

なお、2003年4月から、賞与からも同率の保険料を徴収する総報酬制が導入されています。

何月の給料で保険料は決められるか

4月1日から30日までの給料が5月10日に支給された場合、会社は「4月分の給料」と言われることが多いのですが、社会保険では5月に支給された給与は5月分と考えます。

社会保険料は原則として、毎年1回、10月分より、全国一斉に変更します。

実際は、毎年4月・5月・6月の3ヶ月間の給料を平均して、この平均額に見合った保険料を決定し、10月分の保険料から新しい金額になります。

この3ヶ月のいずれかに、欠勤が多く、賃金の計算対象となった日数が17日以下の月があれば、その月は除外して平均し、3ヶ月とも17日以下なら、従前の金額のままとなります。

この3ヶ月間に、残業や出勤日数等が多く、給料が多いと、賃金の平均額も多くなり、保険料も上がり、直後に残業等が減っても、来年の9月まではそのままとなります。下がった場合も同様です。

昇給・降給や手当の単価等が変わって、賃金に著しい変化が生じたときは、その最初の月から3ヶ月間様子を見て、この3ヶ月間の賃金の平均額に見合う保険料を決定し、4ヶ月目の月の保険料から新しい保険料になります。

保険料を納めすぎたとき

前納したものとして、その後の保険料に充当されます。

滞納したとき

翌月の10日頃に督促状が出ます。

期限までに納めない場合は、年利14.6%の延滞金がかかります。


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