労働時間短縮推進委員会

全員合意の決議は、労使協定と同じ

労働時間短縮推進委員会を設置し、委員全員の合意による決議がなされた場合は、その決議を労働時間・休暇に関する労使協定に代えることができます。(時短促進法7条)

労使協定に代えられる制度

(1) 1ヶ月単位の変形労働時間制労働基準法32条
(2) フレックスタイム制労働基準法32条
(3) 1年単位の変形労働時間制労働基準法32条
(4) 1週間単位の非定形的変形労働時間制労働基準法32条
(5) 一斉休憩の適用除外労働基準法34条
(6) 時間外・休日労働制労働基準法36条
(7) 事業場外労働の労働時間の算定労働基準法38条
(8) 専門業務型裁量労働制労働基準法38条
(9) 年次有給休暇の計画年休制(労働基準法39条

※(6)の「36協定」以外は届出が免除されます。


時短推進委員会の要件

(1) 労働時間短縮に関する事項を調査審議し、事業主に対して意見を述べることを目的とする委員会であって、企業の事業場単位で設けられていること。
(2) 委員の半数が当該事業場の過半数組合または過半数代表者の推薦に基づき指名されていること。
(3) 委員会の設置について、時短促進法施行規則1条で定めるところにより、所定様式の委員会設置届を事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出ていること。
(4) 委員会の議事録について、同施行規則2条で定めるところにより、委員会開催のつど議事録を作成し、3年間保存されていること。
(5) 委員会において、委員の任期、委員会の招集、定足数、議事運営等必要事項について運営規則が定められていること。

関連事項:
裁量労働制
労使委員会

連合は2004年11月18日~21日の4日間、「不払い残業撲滅キャンペーン」を実施しました。

このとき寄せられた相談件数は440件(うち不払い残業は423件)に及び、3件に1件は、家族からの身内の健康を心配するものでした。

事例を見ると、次のような状況が読みとれます。

不払い残業の相談は次のような要因によって引き起こされている。

(1)労働者、あるいは労使ともに法律制度への理解不足があり、これに起因するもの

  • 見なし残業代として一律に支給されているから、別途残業代は必要ないとされている。
  • 年俸制で賃金を決めているので、残業代は必要ないとされている。
  • 36協定の限度時間を超える残業代は請求できない(付けられない)と考えられている。

(2)不払いがシステムとして組み込まれている、確信犯的なもの

  • 採用後一定時期が過ぎると、勤務時間の割り振りを募集内容とは違ったものに変更する。
  • 残業履歴を残さないために、事務職員が定時に全従業員のタイムレコーダーを打刻している。
  • 残業をするのは従業員の能力不足によるものと、経営者が決めつけている。
  • 「経営環境が厳しい」というのが残業代未払の大義名分となっていて、改善を求められなくしている。
  • 「契約社員」などの不安定な形での雇用関係を結び、解雇をちらつかせながら、残業代の請求を封じている。
  • 労働基準監督署の指導を受けたので、形式的には問題ないように整えられた。このため労働時間管理が二重になった。
  • 権限のない管理職に登用し、残業対象からはずす。
  • 勤務時間外に会議や朝礼等をセットする。欠席すれば、別の形で査定されるので、欠席できない。

(3)問題点は承知しながらも、どうしようもない状況で放置されているもの

  • 営業部門は勤務時間の把握が困難なので、労働時間が確定できない。
  • 製造部門でリストラを進めすぎて人員不足となったうえに、納期厳守の要請の圧力を受けている。
  • 同業者との競争の激化で、何をおいても顧客の要望を最優先にせざるを得ない。
  • 少人数職場のため、従業員が1人休むと、途端に長時間労働になる。
  • 人員補充がきかず、個人に負担が集中する。
  • 仕事がきつく慢性的な人手不足に陥っている。採用者を増やすため募集上の賃金は上げるが、残業代を出す余裕がない。
  • 仕事の波がありすぎて、繁忙期対応は労働者のがんばりに任せられたままである。
  • 企業の業績が不安定で、従業員の採用・退職が頻繁に行われているため、残業代の手当まで手が回らない。

日本IBMが「短時間勤務制度」導入 週3日でもOK

日本IBMは、正社員のままで働く時間や勤務日数が減らせる「短時間勤務制度」を04年1月から導入する。

管理職を含めた約2万人の全社員が対象で、希望者が申請する。

一部の企業が導入している制度より適用範囲が広く、育児や介護に加え、資格取得や身体の障害など申請理由は原則不問だ。

期間も、育児では子どもの中学校入学まで認める。

従来ある在宅勤務制度と併用し、出勤日をゼロにもできる。

同社は社員の能力や成果で給与が決まるため、働き方も自己責任で選べるよう選択肢を増やす。

育児などの負担を軽くし、転職や退職せずに働ける環境を整える狙いもあり、5月から試験運用し、今回、導入を決めた。

普通の正社員は週5日勤務で38時間働くが、短時間勤務は

(1) 3日勤務
(2) 4日勤務
(3) 5日勤務で労働時間6割
(4) 5日勤務で労働時間8割

の4種類。

働く時間が短くなる分、(1)(3)の場合は50%、(2)(4))は30%収入が減る。

短時間勤務の社員も昇給・昇格は成果重視。

解雇を防ぐため単純に働く時間を減らし仕事を分かち合うワークシェアリングとは制度が異なる。

適用期間は約2~3年間を想定し、1年ごとに更新する。ただし育児が理由の場合は、中学校の入学前まで更新できる。

制度の導入で同じ部署内で増える仕事の負担は、仕事の外注化や派遣社員の活用、業務内容の見直しなどで吸収させる。

同社は出退社時刻の融通がきくフレックスタイム制や自宅で仕事ができる在宅勤務制度を導入済み。

だが、正社員として働く時間は変わらず、在宅勤務では適用職種も限られていた。

日本IBMは女性社員の比率が約2割と増加傾向にある。女性の離職率もほかの日本企業と比べて低いものの、世界各国のIBMグループでみると、女性社員の比率自体は低い方という。

このため、労働人口の減少や雇用の流動化が進むなか、成果主義の一方で、成果を出すための技能向上や、社会的慣行から女性に負担が集中しがちな育児などの時間を社員が取れる環境を整備し、優秀な人材の流出を防ぐという側面もある。

(asahi.com 2003.12.15)


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