1ヶ月単位変形労働時間制の労使協定および就業規則

労使協定

1ヶ月単位の変形労働時間制は、必ず労使協定を結ばなくてはならないわけではありません。

就業規則の変更による導入が可能です。

労使協定により定めるか就業規則その他これに準ずるものにより定めるかについては、使用者が決定できる。

(平成11.1.29 基発第45号)

なお、労使協定を締結する場合には、以下の事項について協定し、所轄労働基準監督署長に届出を行う必要があります。

  1. 変形期間と変形期間の起算日
  2. 対象となる労働者の範囲
  3. 変形期間中の各日及び各週の労働時間
  4. 協定の有効期間

なお、常時10人以上の労働者を使用する事業場が労使協定を締結し届け出を行った場合には、就業規則(変更)の届出も必要となります。


就業規則等

1ヶ月単位の変形労働時間は、労使協定によらず、就業規則に規定することでも、採用することができます。

常時労働者を10人以上使用している事業場は就業規則作成義務があるため、これを労働基準監督所長に届け出なければなりません。

労働者9人以下の事業場については、就業規則作成義務はありませんが、変形労働時間を採用する場合は、労使協定または就業規則に準ずるものに規定することが必要となります。

岩手第一(控訴)事件 仙台高裁 平成13.8.29

1ヶ月単位の変形労働時間制を就業規則で定めたが、内容に問題がある、とその無効を求めた。

盛岡地裁は、変形労働時間を採用する場合には、毎労働日の労働時間を特定するか、特定しないときは、在る程度予測することができるようにするため、始業時刻、終業時刻を異にするいくつかのパターンを設定し、その組み合わせを周知することなどが求められる。全く無制限に労働時間を決定できるような就業規則の定めは無効である、とし、本件の規定は労働基準法第32条の2第1項に定める1ヶ月単位の変形労働時間の制度に合致しないと判断した。

仙台高裁も、盛岡地裁の判断を支持し、会社側の控訴を棄却。

「季節又は業務の都合」により労働時間を変更できるという定めは、一方的に労働時間を変更できることを容認する規定と解せざるを得ない。繁忙業務上の必要があれば、時間外労働として対処すべき問題である、とした。


シフト制などの場合

月ごとに規則を改定することは困難ですので、まずは就業規則において、各シフト勤務の始業時刻と終業時刻、各シフトの組み合わせの考え方、勤務割表の作成手順およびその周知方法等を定めます。それにしたがって、各日ごとの勤務割は、変形期間の開始までに具体的に特定することになります。(昭和63.3.14 基発150号)


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