36協定とは

労働基準監督署に届け出る

法定の労働時間を超えて労働させる場合、または、法定の休日に労働させる場合には、あらかじめ労使で書面による「時間外労働・休日労働に関する協定届」を締結し、これを所轄の労働基準監督署長に届け出ることが必要です。

この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36協定(さぶろくきょうてい)」といいます。

使用者がこれに違反すると、6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金(労働基準法37条違反、労働基準法104条に罰則)が科せられます。

36協定は必ず文書化し、届け出ていることが必要ですが、届出様式の書面に押印することで、協定書とすることができます。

(届出様式(第9号ないし第9号の3)の書面に)労働者代表の押印等を加えることにより、これを36協定の協定書とすることは差し支えなく、またこれを届け出ることも差し支えないが、この場合には、当該協定書の写しを保存しておく必要がある。

(昭和53.11.20 基発642号)

36協定が締結され、就業規則において時間外労働義務の根拠条項があれば、労働者は当該36協定に定められた範囲内で時間外労働をする義務を負います。

宝製鋼所事件 東京地裁 昭和25.10.10

三六協定の締結、届出がない以上、使用者は 労働基準法第33条に該当する場合以外は、適法に時間外労働又は休日労働を命じ得ないのであるから、労働者としてはこのような違法な時間外労働又は休日労働の命令に従わなくとも責任を追求されない

逆に、協定締結後の残業命令に違反した者に対する懲戒解雇は有効であるとした事例もあります。(日立製作所武蔵工場事件 最高裁 平成3.11.28)


「36協定」の締結単位

36協定は、事業場単位で締結し届け出る必要があります。

ひとつの会社で別々の場所に工場・支店などがある場合は、通常はその工場・支店などがそれぞれひとつの事業場に当たりますので、工場・支店などごとに36協定を締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出る必要があります。

一括届出

この従来の取り扱いに加えて、協定の内容が本社と本社以外の事業場(全部または一部)について同一であるものについては、本社の所轄労働基準監督署長に届出を行えば、本社以外の事業場の所轄署長にも届出があったものとして差し支えないこととされました。(平成15.2.15 基発第0215002号)

一括届出の場合、全社的に単一の労働組合があるなど、以下の要件を満たす必要があります。

要件1 本社と本社以外の事業場に係る協定の内容が同一であること。
「同一」とは、様式第9号の記載事項中、事業の種類・名称・所在地・労働者数以外の事項が同一であることをいう。
「協定の当事者である労働組合の名称又は過半数代業者の職名・氏名」と「使用者の職名・氏名」はすべての協定について同一である必要がある。
同時に、注意点は協定の締結主体である労働組合が、一括して届出がなされる各事業場ごとに、その事業場の労働者の過半数で組織されている必要があることである。
要件2 本社の所轄労働基準監督署長に対する届出の際には、本社を含む事業場数に対応した部数の協定を提出すること 。
協定の記載事項を同一にするため、最も長い延長時間等を定めた協定に他の協定の延長時間等を合わせてしまうことも想定される。
しかし、協定の締結は各事業場の実態に即し延長時間等を設定することが必要であるから、単に記載事項を同一とすることを目的として、延長時間等を定めることは望ましくない。

労働組合が過半数を組織していない事業所の場合は、その事業所については一括届出ができません。


割増賃金の支払い

法定労働時間外労働をさせた場合は2割5分以上の、法定休日労働させた場合は3割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。


効力の発生

36協定は労働基準監督署に届け出て、受理されてはじめて効力を発生します。

協定の開始日が4月1日でも、届け出たのが4月10日であれば、4月1日から4月9日までの時間外労働や休日労働は違法となります。遡及効果は及びません。


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