改正労働基準法解説レポート
令和5年4月1日から、月60時間超の割増賃金率の引き上げが中小企業にも適用となります。
法改正による新制度の導入方法について、詳しく解説したマニュアルを無料提供しています。
サンプル条文や改訂例を参考に、就業規則の改訂を行ってください。
1年単位変形労働時間制の年間労働日数の限度
変形が3ヶ月を超えるなら、1年280日勤務が限界
対象期間が、3ヶ月を超える場合
対象期間が3ヶ月を超えるときは、労働日数は1年につき280日とするように定められています。
命令で定める労働日数の限度は、対象期間が三箇月を超える場合は対象期間について1年あたり280日とする。
(労働基準法施行規則第12条の4第3項)
したがって、1日の労働時間は短くても、年間労働日数の多い業種(すなわち、休日の多くとれない業種-レジャー業種、サービス業、小売業等)の場合、1日の労働時間を7時間25分とすると(7時間25分×280日=2,077時間)で280日(休日85日)のギリギリの線となります。
変形期間 | 3ヶ月以内の場合 | 限度はない |
3ヶ月を超え1年未満の場合 | ![]() |
|
1年間の場合 | 限度は年280日 |
(例)
対象期間が4/1~10/31の7ヶ月(総暦日数214日)の場合は、
280×214÷365=164.16となり、164日が限度(端数切り捨て)。
平均週40時間以下とすると、次の時間数が労働時間の限度となります。

対象期間 | 限度時間 |
---|---|
3ヶ月(92日) | 525.71時間 |
4ヶ月(122日) | 697.14時間 |
6ヶ月(183日) | 1,045.71時間 |
1年(365日) | 2,085.71時間 |
業務都合により任意に変更できる制度ではない
例えば、貸切観光バス等のように、業務の性質上、1日8時間、週40時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、1年単位の変形労働時間制を適用する余地はない。
(平成6.1.4 基発1号)
必要休日数
1日の所定労働時間を一定とした場合、1週間平均40時間をクリアするための1日の所定労働時間と年間休日日数の関係は、次のようになります。

これによって計算すると、必要な年間休日数は次のようになります。
1日の所定労働時間 | 1年365日の場合 | 1年366日の場合 |
---|---|---|
8時間00分 | 105日 | 105日 |
7時間45分 | 96日 | 97日 |
7時間30分 | 87日 | 88日 |