黙示の残業命令

中止を命じなければ割増の対象となる

いわゆるホワイトカラーの場合、上司の命令がないのに自発的に業務を継続しているといった場合が、しばしば見受けられます。

しかし、上司が「中止」を命じないで黙認している限りにおいては、それらの時間はいわゆるサービス残業となり、使用者側としては責任を負うべき状況となります。

徳州会(野崎徳州会病院)事件 大阪地裁 平成15.4.28

医事課職員のいわゆるサービス残業については、被告の黙示の業務命令に基づくものと評価でき、同人の未払い時間外手当およびそれと同額の付加金請求を認容した。

高島屋工作所事件 大阪地裁 平成5.12.24

課長が残業内容を質問したところ特に急を要する業務ではなかったことから、残業しないよう指示した事案。後日、割増賃金が請求された。

裁判所は、「被控訴人が控訴人の就業時間後の時間外労働事後申請を認めなかった処置に何ら違法なところはない」とし、請求を否定した。

とみた建設事件 名古屋地裁 平成3.4.22

時間外労働といえども、使用者の指示に基づかない場合には割増賃金の対象とならないと解すべきであるが、原告の業務が所定労働時間内に終了し得ず、残業が恒常的となっていたと認められるような場合には、残業について被告の具体的な指示がなくても、黙示の指示があったと解すべきである。

吉田興業事件 名古屋高裁 平成2.5.30

始業開始時刻である午前8時より前に行った労働及び公団職員退庁後にしたものであっても、翌日の就業開始後にすれば足りる後片付け等をした労働、指示に基づくものとは認められず、自発的な行為であり、・・・労働時間には含まれない。


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