労働時間の取り扱い

労働時間の特例

労働基準法第40条に対する労働基準法施行規則の特例

労働基準法40条は、労働時間及び休憩について、労働基準法施行規則(労基則)で別段の定めをすることができるとしています。

週法定労働時間の特例

商業、映画・演劇業(映画の制作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって、事業場の規模10人未満のものについては、法令労働時間の特例として、1週44時間、1日8時間制が認められている(労基則25条の2第1項)。

運輸交通業の予備勤務員の不特定1ヶ月変形労働時間制

運輸交通業に従事する労働者であって列車、気動車又は電車に乗務する者のうち、予備の勤務に就く者については、あらかじめ就業規則その他で特定することなくして、1ヶ月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの所定労働時間が40時間を超えない限りにおいて、1ヶ月単位の変形労働時間制をとることができる(労基則26条)。

1ヶ月変形制が各日の所定時間の事前特定を要することの特例である。

一斉休憩の除外

運輸通信業、商業、金融・広告業、映画・演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署の事業については、一斉休憩の除外が認められている(労基則31条)

休憩規定の除外

運輸交通業、通信業のうち、一定の者について、34条の休憩時間を与えないことができる(労基則第32条)

休憩自由利用の例外

警察官等や乳児院等に勤務する職員で児童と起居をともにする者について、休憩時間の自由利用の例外が定められている(労基則33条)

複数事業所での勤務

事業所を異にする場合も、労働時間は通算されます。(労働基準法38条1項)

したがって、すべてを通算した場合で、法定労働時間を超えた場合は、割増賃金などの支払が発生します。

これは、同一の使用者の場合はもとより、使用者が異なる場合も適用されます。

しかし今日では、朝はビルの清掃業務、昼は食堂の配膳、夜は居酒屋のホール担当という働き方もあり得るようになっており、労働時間の適正な把握が難しくなっているのが実情です。

坑内労働

トンネル工事などの坑内労働の場合、坑口に入った時刻から坑口を出た時刻までを、休憩時間を含め労働時間と見なしています。(労働基準法38条2項)


準備時間の取り扱い

社会通念に照らして判断

準備時間は、その行為が使用者から義務付けられ、または、余儀なくされているとき、労働時間だと判断されます。(下記、日野自動車事件参照)

具体的判断基準

次の4つの要件を満たす場合には、特段の事情がない限り、労働時間ということになります。

(1) 就業を命じられた業務の準備行為等であること(業務上の必要性の要件)。特に法律などにより義務づけられている場合は、労働時間とされる可能性が高い。
(2) 事業所内において行うこと(場所的拘束性の要件)
(3) 使用者から義務付けられ、または、これを余儀なくされたこと(義務性ないしはそれと同視しうる事実上の拘束性の要件)。特に就業規則などに義務付けられている場合は、労働時間とされる可能性が高い。
(4) 当該行為に要した時間が社会通念上必要と認められるものであること(時間的要件)

朝礼

就業規則では9時が始業時刻と定められているにもかかわらず、その10分前から全員参加で朝礼が行われる場合は、実労働時間の開始は8時50分ということになります。

したがって、実労働時間が8時間を超えれば、所定終業時刻前であっても、法外残業として取り扱われることがあり得るのです。

点呼等についても同様です。(東急電鉄事件 東京地裁 平成14.2.28)

自由参加のラジオ体操など、参加強制がなければ、労働時間にはなりません。

更衣、清掃、入浴等は労働時間か

更衣、清掃、入浴等の時間が以下の2つの両方に該当する場合は、労働時間になります。

  • 本来の業務や作業にとって必要不可欠な準備または後始末の時間
  • 使用者の直接の支配拘束下で行われる

使用者からの義務づけがあれば、労働時間と見なされます。

三菱重工事件 最高裁 平成12.3.9

作業服・安全保護具等の着装が・・・本来の作業に不可欠な活動であること、被控訴人らは内規により右装着を正しく行うよう具体的に指示されて・・・義務づけたものと解することができ・・・右装着の開始により、被控訴人らは使用者の指揮命令下に入ったことと認めることができる、として、作業服・安全保護具等の着装時間及び準備体操場への移動時間が労基法上の労働時間と判断された。

なお本件では、作業服等の装着については、安全心得や作業基準の内規により、指示され、作業開始前にすませることが義務づけられていた。

日野自動車事件 最高裁 昭和59.10.18

本件の場合、門から職場までの所要時間が労働時間に含まれないことは明らかであり、また着替え履替えの所要時間も、それが被控訴人に明示若しくは黙示の指示によってなされるものであるとしても、右指示は職場における従業員の安全確保のためにとった使用者の便宜的措置であることを考慮すれば、右は労働時間に含まれないと解するのが相当である。

労働時間に該当する必要不可欠な時間

法令上の不可欠 法令により一定の準備や後始末等が義務づけられている場合
たとえば、労働安全衛生法により保護具等の装着等が義務づけられている場合、作業後の身体の洗浄が義務づけられている場合等
性質上の不可欠 その作業を行う場合に作業の性質上必ず一定の準備や後始末を要する場合
たとえば、始業時の機械の点検、用具の整備、作業後の格納、清掃等
社則上の不可欠 作業の性質上の不可欠とまではいえないが、就業規則等で義務とされている準備や後始末
たとえば、出席義務のある朝礼や終礼等
慣習上の不可欠 慣習上義務ないし制度化しており、かつ、それを行わない場合何らかの不利益が予想される準備や後始末
たとえば、輪番制で実施し、義務化している社員の清掃や当番制での始業時刻前の出勤による店舗の開鍵・点検等

昼当番

昼休みに、来客・電話等対応のため、ローテーションにより居残る場合、居残り時間は実労働時間です。(基収1196号 昭和23.4.7)

ただし、昼休みの来客対応を労働時間と認めない趣旨の判決もあります(京都銀行事件 大阪高裁 平成13.6.28 ただし、この裁判では、昼休の業務実態の立証が不十分でした)。

手待ち時間等

飲食店の店員が客が来なくて休んでいる時間、ビル警備員の仮眠時間などは、休憩時間ではなく、労働時間だとされています。(すし処「杉」事件 大阪地裁 昭和56.3.24、大星ビル管理事件 東京高裁 平成8.10.14)

仮眠時間

仮眠時間中も突発的な業務が発生した場合に、これに従事することが義務付けられていると、仮眠を含めた時間が労働時間とされることがあります。

大星ビル事件 最高裁 平成14.2.28

ビル管理業務(ボイラーなどの運転・監視、電気等の諸設備の点検・整備など)に従事している労働者の泊まり勤務での仮眠時間について、仮眠していた時間を含め仮眠時間全体が労働時間だとされた。

ただし賃金に関しては、本件の場合では、別途泊まり手当が支払われていたことから、実作業に従事した場合の割増分のみの支給で足りるとされた。

裁判所の判断:

仮眠時間中も必要に応じて、突発作業、継続作業、予定作業に従事することが想定され、警報を聞き漏らすことは許されず、警報があったときは何らかの対応をしなければならない。

不活動仮眠時間において、労働者が実作業に従事していないというだけでは、使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず、当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて、労働者が使用者の指揮下に置かれていないものと評価することができる。

したがって、不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるべきである。

そして、当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である。

同旨、
江東運送事件 東京地裁 平成8.10.14、
日本貨物鉄道事件 東京地裁 平成10.6.12、
桐朋学園事件 東京地裁八王子支部 平成10.9.17、
日本セキュリティシステム事件 長野地裁佐久支部 平成11.7.14、
関西警備保障事件 大阪地裁 平成13.4.27
日本郵便逓送事件 京都地裁 平成12.12.22

日本郵便逓送事件 京都地裁 平成12.12.22

郵便物の運送業に従事していた労働者(大型運転士)の泊まり勤務の仮眠時間は、仮眠場所が事業所に指定され、帰宅や外出も禁止されており、突発の臨時便がある場合には対応しなければならない以上、労働から完全に解放されておらず、労働時間であるとして、原告6名に対し108万円~155万円の支払いを命じた。

会社側は、

(1)突発的に運行業務が生じるのはまれである、

(2)仮眠時間については労働時間と認めないという労働慣行が確立していた、などと主張したが採用されなかった。

関連事項:

  1. 休日・宿直
  2. 労働時間の適用除外

翌日までかかる勤務の場合

所定労働時間が終了しても勤務が継続して徹夜に及ぶことがあります。また、午前0時をはさむ継続勤務が予め割り振られている場合、これを午前0時を区切りとして2日間の勤務とすることは、定型的労働時間が2日分として認められることになり、不適当となります。

したがって、このような場合は、たとえ暦日を異にする場合であっても、1勤務として取り扱うこととされています。

労働基準法第32条第1項の「1日」とは、原則として午前0時から午後12時までのいわゆる「暦日」をいうものであり、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とすること。

(昭和42.12.27 基収5675号、昭和63.1.1 基発1号)

健康診断

行政解釈では、特定の有害な業務に従事する労働者について行われる健康診断については、事業の遂行のために実施されるものであり、実労働時間になるとしています。

また、一般健康診断の受診に要した時間の賃金支払については、支払うことが望ましいとされています。(基発602号 昭和47.9.18)

関連事項:健康管理


移動時間の取扱い

移動時間は原則、労働時間とはならない

列車等による移動時間は、物品の監視等別段の指示がある場合の外は、交通機関の中で自由に過ごしうる時間であるから労働時間にあたらないというのが有力です。

なお、休日労働や時間外労働に当たらないことは、明らかです。

出張を命じられ、休日に列車等によって移動した場合でも、それが労働時間でない以上、休日労働にはあたらないことになります。

切符などを渡され、その列車を指定されていても同様です。

出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても差し支えない。

(昭和33.2.13 基発90号、昭和23.3.17 基発460号)

横河電機事件 東京地裁 平成6.9.27

所定就業時間外及び休日における移動時間は、時間外(休日)勤務手当の支給対象となる実労働時間とならない旨規定したものと解されるところ、移動時間は労働拘束性の程度が低く、これが実労働時間に当たると解釈するのは困難であることから、これらの条項から直ちに所定就業時間内における移動時間が時間外手当の支給対象となる実勤務時間に当たるとの解釈を導き出すことはできない。

ただし、出張そのものは業務命令ですから、通常の賃金を支給する必要はないにしろ、手当等により適正な補填が図られるべきだと、考えられます。


交替制勤務

時間外・深夜勤・休日労働が生じれば、割増賃金を支払う

交替制勤務については特別な規定はありません。通常の労働者と同じように労働時間の規定が適用されます。

交替制には次のような態様があります。

2組2交替制 1勤務12時間の番方を毎日労働するもの
3組2交替制 1勤務12時間の早番・遅番を3組の労働者に担わせるもの
3組3交替制 1勤務8時間の早番・中番・遅番を3組の労働者に担わせるもの
4組2交替制 1勤務12時間の早番・遅番を4組の労働者に担わせるもの
4組3交替制 1勤務8時間の早番・遅番を4組の労働者に担わせるもの
5組3交替制 1勤務8時間の早番・遅番を5組の労働者に担わせるもの
一昼夜交替勤務 2暦日にまたがる1勤務(24時間)と非番(24時間)とを3回繰り返し、7日目を休日とするもの

2組2交替制、3組2交替制、3組3交替制、一昼夜交替勤務といった交替制においては、時間外労働・休日労働が制度の前提として恒常化されることになります。

年休の取り扱い

一昼夜交替制勤務

1勤務を2労働日として取り扱うので、1勤務の労働を免除することにより2労働日の有給休暇を取得したことになります。


2暦日にわたる1勤務(ex.3交替の遅番)および常夜勤勤務者の1勤務

当該勤務時間を含む継続24時間を1労働日として取り扱って差し支えありません。つまり、暦日ではなく、継続24時間で1日の年休取得となります。


番方変更日に連続勤務を行い、1暦日に長時間勤務をする場合

その日の労働時間の長さにかかわらず、1労働日として取り扱います。この番方変更日に年休を取得しても2日年休を取得したことにはなりません。


いわゆる社用接待

社用接待は原則としては業務にならない

就業時刻後に取引先などと行う飲食は、社用のために行われる場合が多いのですが、原則として業務とは認められません。

ただし、例外的に、特命で宴席の準備を命じられた者、出席者の送迎にあたる自動車運転手などは労働時間と見なされます。

単なる懇親を主とする宴会は、その席において何らかの業務の話題があり、また業務の円滑な運営に寄与するものがあったとしてもその席に出席することは、特命によって宴会の準備等を命ぜられた者、または、出席者の送迎にあたる自動車運転手等のほかは原則としてこれを業務とみることはできない。

(昭和45.6.10裁決)

休日に行われる社用ゴルフも、その費用が会社から出ている場合であっても、休日労働にはなりません。

「労働」か「労働でない」かが大きな問題となるのは、これに関連してケガや事故が発生した場合です。

高崎労基署事件 前橋地裁 昭和50.6.24

(ゴルフコンペの出席が)業務の遂行と認められる場合もあることを否定できないが、しかしそのためには、右出席が、単に事業主の通常の命令によってなされ、あるいは出席費用が、事業主より、出張旅費として支払われる等の事情があるのみではたりず、右出席が、事業運営上緊要なものと認められ、かつ事業主の積極的特命によってなされたと認められるものでなければならない。

関連事項:労災保険の概要


持ち帰り残業

労働時間とするのは困難、対価請求もできない

まず第一に、私生活の場である家庭における時間まで使用者に労働を提供する義務はない、ということが原則となります。

自宅で仕事をすることがあっても、本人の自由意思に基づくものでなくてはなりません。

その前提で考えたとき、自宅での仕事が労働時間とみなされるかどうかですが、以下のことから、労働時間と解釈することは困難です。

  1. 場所的な拘束がないこと
  2. 一定の時間的拘束もないこと
  3. 態度・行動についても拘束がないこと
  4. 支配監督も受けないこと
  5. 業務内容や遂行上の拘束もないこと

しかし、事実上仕事をしているのですから、成果物の対価を受け取れるかどうか、ということも考えられます。

民法656条の準委任や商法512条の類推適用に該当するためには、事前に報酬額等を定めておかなければ、具体的な債権となりません。

したがって、具体的請求権はないと解されます。


研修

「黙示の職務命令」とされるケースもある

明示の業務命令に基づかない場合でも、その性質・内容・実態からみて、労働者の「職務内容」に関する教育は、参加自由を明白にしている場合を除き、原則として社員の職務遂行に当たると考えられます。

したがって、労働時間に該当します。

外部機関の実施するセミナー等への参加について個別的命令がなかった場合でも、これへの参加が日常の業務遂行に必要なものであり、参加を黙認するような職場の実情があった場合は、包括的な業務命令の一部として存在する職務行為と解されます。

このため、黙示の参加命令があったとして、労働時間となります。

ただし、「あらかじめ所属長の承認を得ること」などの規定があり、それを知りながら労働者が参加したようなときは、労働者自身の恣意的行為と認められますので、後から会社が追認しない限り、労働時間とはいえません。

安全衛生教育に必要な時間は労働時間

労働安全衛生法59条は、雇入れの際、作業内容変更の際、危険有害業務に就かせる際、労働者の指揮監督者に任命した際に、安全衛生教育を行うことを義務づけています。

この教育のための時間は、労働時間だとされます。

第59条および第60条の安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止をはかるため、事業者の責任において実施されなければならないものであり、したがって、安全衛生教育については所定労働時間内に行うのを原則とすること。

また、安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されるので、当該教育が法定時間外に行われた場合には、当然割増賃金が支払われなければならないものであること。

(昭和47.9.18 基発602)

使用者が消防法(※8条)の規定により法定労働時間を超えて訓練を行う場合においては時間外労働として法第36条の協定を締結して行わなければならない。

(昭和23.10.23 基収3141)


勤務終了後の教育研修時間

自由参加かどうか、参加不参加で不利益があるかどうか

いわゆる自己啓発や自主活動として社員がそれに参加するかどうかをまったく自由任意とした場合には、原則としてその教育、研修等の時間は労働時間となりません。

したがって、QC活動などで、この範囲に留まるものに関しては、労働時間となりません。

会社が講師謝礼や施設利用の便宜を図っていたとしても、同様です。

時間外のビジネススクール通学等についても、それが使用者の特命でなければ、単なる自己啓発として扱われます。

当然、割増賃金の支払いも必要ありません。

労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱いよる出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない。

(昭和26.1.10 基収第2875号)

完全に自由参加であり、それに出席しないことによって、何らの不利益もないなら、労働時間にはなりません。

逆に、その教育が、会社の主催するもので、社員にとっては職務内容、または職務内容と密接に関連するもので、それに参加しないと業務上支障が生じたり、業務の遂行上不利益となったりするケースで、使用者から特命があったり、参加しないことにつき人事考課上不利益に取り扱われるなど、たとえ自由参加としても、間接的強制として参加せざるをえない場合には労働時間となります。

業務上必要な資格試験の準備講習などで、使用者が従業員に受講を命じたものであれば、労働時間となりますが、会社が従業員の支援のために行っているものであって、参加が義務づけられないなら、労働時間ではないことになります。

いずれにせよその区分は曖昧となるので、事前に労働時間となるか否かについて明確にしておくことが必要だといえるでしょう。


自己啓発研修の考え方

労働時間になる場合 (1) 明示の業務命令による場合
  • 直接そこで点呼をとって出欠を確認し、出席しない者については就業規則上の欠勤や早退扱いをする
(2) 黙示の業務命令と認められる場合
  • 参加しないと労働契約の本旨にしたがう業務が実施できないもの
  • 参加しないと不利益に取り扱われるもの
    ※賞与、昇格等の考課に当たって自由参加形式の社員教育への出席状況を直接考課評定基準に加える、など
  • 事実上自己啓発研修グループの組織化が強制され、その一員とされて実施が事実上義務づけられているもの
  • 自己契約研修のカリキュラムやプログラムが会社から示され、かつ実施しない場合には上司に対しその理由の提示等が要求されているもの
労働時間にならない場合 (1) 実施につき自由、任意であり何らの拘束、不利益のない場合
(2) 会社がプログラムなどを示す場合でも、その実施は従業員の申し出により希望者に行うもので、実施につき労務指揮上の義務的拘束のない場合
(3) 同好会、グループ活動として福利厚生施設や制度の一環としてなす場合
(4) 退職後の再就職の際の活用等の目的で労働者の自由意思により行う場合

通信教育等の場合

業務命令として通信教育の受講が労働者に命じられる場合があります。

通信教育は、教材の読書や課題の考察を中心とする学習形態ですので、必ずしも一定の時間、場所に拘束されて行う必要はありません。

したがって、このような学習を「労働」や「使用者に対する労務提供」と解することは不適当です。

拘束の内容 労働基準法上の労働時間 通信教育の場合
一定の場所的拘束 あり なし
一定の時間的拘束 あり なし
一定の態度ないし行動上の拘束 あり なし
一定の労務指揮的立場から行われる支配
ないし監督的拘束
あり なし
一定の業務の内容ないし遂行方法上の拘束 あり なし

労基法上の労務提供というためには、拘束下の従事的労働であることが必要ですが、通信教育の場合は、この条件を満たしていません。

このことから、労働者が使用者の命令に従い、自宅で行う通信教育の学習やレポートの作成時間などは労働時間には該当しないことになります。


昇任試験等の受験日

昇任試験等の受験日は休日労働等にはならない

受験しなかったからといって、当日が欠勤扱いとなるわけではなく、また、賞与等の査定に当たってその参加が不利益に査定されるわけでもないので、受験しないことによる直接的な不利益取扱いということにはなりません。

このため、労働時間にはならず、休日に行われても、休日労働には該当しないのです。

ただし、参加が強制されたり、不参加者に直接的な不利益扱いをした場合には、労働時間と解されます。


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