手待時間

いつでも稼働できる態勢で待つ時間は労働時間

手待時間とは、使用者から「働け」という命令があれば、ただちに業務に就くことができる態勢で待機している時間をいいます。

この時間は、休憩時間にはあたらず、労働時間としてカウントされます。

貨物運送事業における手あき時間については、労働者が自由に利用することができる時間であれば、労働基準法34条にいう休憩時間である、とされています。(昭和39.10.6 基収第6051号)

拘束されていれば、休憩時間となりません。

自動車運転者のフェリーの乗船時間は労働時間でなく休憩時間である。

(昭和54.12.27 基準発1575号)

一部定期路線トラック業者においては、運転手に対して路線運転業務の他、貨物の積込・積卸を行わせることとし、小口の貨物が逐次持ち込まれるのを待機する意味でトラック出発時刻の数時間前に出勤を命じている。

この場合、現実に貨物の積込を行う以外の時間には全く労働の提供はなく、いわゆる手待ち時間がその大半を占めているが、出勤を命ぜられ、一定の場所に拘束されている以上、労働時間と解すべきである。

(昭和33.10.11 基収6286号)

K警備保障事件 大阪地裁 平成16.3.31

拘束時間が18時から9時までの15時間の警備員。このうち5時間が休憩時間だとされ賃金の支払対象外となっていた。しかし、この待機時間中は原則として車中で連絡応答し、制服を着用し、担当するユーザーの鍵の入った鞄を常に携行し、出動の指示があった場合には、即座にこれに対応しなければならなかった。

会社は、本部からの出動命令は1日に1回あるかないかで、拘束時間の大部分は自由に過ごすことができたから、5時間の休憩を適宜取ることは可能だと反論した。

裁判所は、休憩時間といえるのは、食事の時間などせいぜい2時間であるし、残りは労働からの解放が保障された休憩時間とはいえないと判断した。

立正運送事件 大阪地裁 昭和58.8.30

長距離トラック運転手のフェリー乗船中の時間は休憩時間である。

すし処「杉」事件 大阪地裁 昭和56.3.24

寿司店の従業員が、「労働時間中客の途切れたときに適宜休憩してもよい」とされた時間は、現に客が来店した際には即時に業務に従事しなければならないので、この時間は休憩時間ではない。


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